毎年の楽しみとなった通販おせち。
今年は【岐阜・中津川 ちこり村】の冷蔵おせちを第一候補に考えています。
ちこり村とサラダコスモについて
岐阜・中津川 ちこり村とは?
ちこり村のおせちを作っている株式会社サラダコスモは、岐阜県中津川市に本社を置く会社。
主な事業内容は以下の通りです。
- 教育型観光生産施設「ちこり村」の運営
- 発芽野菜の生産・販売
- ちこり焼酎の製造・販売
なお、「ちこり」はヨーロッパ原産のキク科の多年生野菜で、キャベツとレタスの中間のようなしゃきしゃきとした食感とほろ苦い味が特徴です。
サラダコスモは、このちこりの栽培において国内最大手となっています。
ちこり村おせちとの出会い
ちこり村のおせちを知ったのは去年の10月のこと。
美味しそうだと思って注文しようとしましたが、人気の「冷蔵」おせちは既に売り切れ、冷凍おせちしか残っていませんでした。
そのため、「来年こそは絶対に売り切れる前に注文しよう」と心に決めていました。
約10か月後、おせちの本予約(9月中旬開始)に先駆けて【お試し冷蔵おせち】が販売されると知り、迷わず購入することに。
※注意点:ちこり村の冷蔵おせちは12月31日のみの配送で、北海道・東北の一部・山口・愛媛・高知・九州・沖縄には届けられません(冷凍おせちは全国配送可)。
お試し冷蔵おせちの購入
ちこり村は主要なネットショッピングモール(楽天市場、ヤフーショッピング、Amazon)に出店しています。
今回、私は楽天市場でお試し冷蔵おせちを購入しました。
同梱されていた「もやし」の意味
お試しおせちの箱を開けると、意外にも「もやし」が1袋同梱されていました。
運営会社のサラダコスモは、もともともやしやカイワレ大根など発芽野菜の生産者。業界で添加物使用が一般的だった時代から、無添加・無漂白のもやし生産にこだわり続けてきたそうです。
見た目の問題で苦労した時期もありましたが、安全・安心重視の姿勢を貫いた結果、次第に評価を得ていきました。今では業界全体の標準も変化したとのこと。
サラダコスモにとって、売上よりも安全で安心な商品を届けることが何より大切だそうです。これが同社の原点であり、創業以来の信念なのだとか。
そんな思いを込めて、もやしを同梱してくれているのかもしれません。
小さいけれどこだわりが詰まったお試しおせち
さて、いよいよ主役のお試しおせちを開封します。
中を覗いてみると、料理はラップでしっかりと押さえられており、偏りなくきれいな状態で届いていました。
しかし、第一印象としては、「小さくて料理の数が少ないな」と感じました。
私が最初に購入したお試しおせちは「博多久松」のものでした。
冷凍ではありましたが、送料込みで1500円弱。4.5寸(13.8cm×13.8cm)の箱に16品目もの料理が入っていて、とてもお得な印象でした。
一方、ちこり村のお試しおせちは送料込みで2000円弱。4寸(12.3cm×12.3cm)の箱に8品目が入っています(2023年時点)。
もちろん、お試しおせちは満腹になるためではなく、味見をするための商品だと理解しています。また、冷凍と冷蔵の違いも考慮すべきです。それでも、つい他社の商品と比較してしまう自分がいます。
しかし、最近の円安や様々な政策の影響で、原材料費や送料が大幅に上昇しています。
おそらく、この価格設定でも赤字か、せいぜいトントンといったところでしょう。
お試しおせちというサービスを提供してくれているだけでも、ありがたいことなのかもしれません。
ちこり村のお試しおせち料理を一品ずつ紹介
それでは、ちこり村のお試しおせちの中身を見ていきましょう。
お品書きを見ると、黒豆、フルーツチーズ、栗きんとんなどのデザート系が半分近くを占め、残りは田作りや昆布巻きといった比較的地味な料理が多めです。
正直、箱の小ささや料理の少なさ、中身の地味さから、最初は「微妙かな…」と感じました。本番のおせち購入も再考しようかと思ったほどです。
しかし、実際に味わってみると、私の評価は一変!
これまで様々なおせちを食べてきましたが、ちこり村のお試しおせちは、そのどれよりも美味しいと感じました。
栗きんとん
デザートは、他のおせちとの違いを最も強く感じました。
特に印象的だったのは、ちこり村の自社農園で栽培された無農薬栗を使用した「栗きんとん」です。
丁寧に仕上げられた栗きんとんの上には、粗めに砕いた栗の甘露煮がトッピング。
一般的な冷凍おせちの栗きんとんは甘味が強いものの、栗本来の味わいが乏しいことが多いです。しかし、ちこり村の栗きんとんは栗の風味が非常に濃厚でした。
調べてみると、原材料は栗、砂糖、甘露栗(栗、砂糖)、還元水あめのみ。
一般的によく使用されるサツマイモが含まれていません。これは、味や風味を重視したちこり村のこだわりを感じさせます。
粗めに砕かれた栗の食感も、この栗きんとんの魅力を引き立てています。中津川が栗きんとん発祥の地であることを考えると、この美味しさに納得がいきました。
➡(当ブログの記事)【実食レビュー】新杵堂栗きんとん|栗と砂糖だけで作る高級和菓子
マカダミアナッツ風味フルーツチーズ
次に紹介するのは「マカダミアナッツ風味フルーツチーズ」です。
荒く砕いたマカダミアナッツがトッピングされており、栗きんとんに劣らぬ美味しさです。
味わいは非常に濃厚で、チーズとナッツの組み合わせが絶妙。デザートとしてはもちろん、ワインや日本酒のおつまみにもぴったりだと感じました。
昨年のお店の人気料理アンケートでは、栗きんとんが1位、このフルーツチーズが2位を獲得したそうです。実際に味わってみて、その評価に納得しました。
浜汐海老
海老は不老長寿の象徴として親しまれ、おせちの定番食材の一つ。ちこり村のおせちでは、鮮度の高い大ぶりの海老を蒸し上げた「浜汐海老(はましおえび)」が主役級の存在感を放っています。
私は甲殻類アレルギーのため食べられませんでしたが、相方の感想を聞いてみました。
今まで食べたおせちの海老と比べて、水っぽさがまったくなく、非常に美味しかったそうです。
これまでおせちの海老は味があまりついていないイメージがありましたが、ちこり村の浜汐海老はしっかりと味付けがされていて良かったとのこと。
料理人の腕の違いか、冷凍と冷蔵の違いかは不明ですが、かなりの差を感じたようです。
蛸柔煮
「蛸柔煮(たこやわに)」には、三重県鳥羽産の蛸が使用されています。
この料理も、先ほどの浜汐海老と同様に、しっかりと旨味を感じる味付けになっていました。
その名の通り、蛸は柔らかく煮られており、噛むとジュワッと出汁が染み出してくるような食感です。非常に美味しく仕上がっていて、おせちの中でも印象に残る一品でした。
かれい西京焼
カラスガレイを使った「かれい西京焼」には、正直驚かされました。
私の中では、カラスガレイ(別名:ギンカレイ)は他のカレイ類に比べて味が劣り、スーパーでは安価な冷凍品としてよく見かけるイメージでした。そのため、あまり期待していなかったのが本音です。
しかし、実際に食べてみると、その美味しさに驚きました。
臭みは全くなく、旨味が豊富で、食感も非常に柔らか。
西京漬けは素材が硬く締まりやすいと言われますが、ここまで柔らかく仕上げるのは驚きです。味噌の分量や漬け込む時間が絶妙なのでしょう。予想をはるかに上回る美味しさでした。
後で調べてみると、カラスガレイは鮮度が良ければ刺身でも非常に美味しいそうです。
味が良くないと言われるのは、流通している多くが外国産の冷凍物で、適切な処理や調理ができていないためかもしれません。
鰊昆布巻
かれい西京焼と同様に、私を驚かせたのが「鰊昆布巻(にしんこんぶまき)」でした。
この料理は、”よろこぶ”という縁起の良い昆布と、”子宝の象徴”とされる鰊(ニシン)を組み合わせた、おめでたい意味合いを持つおせちの定番です。しかし、個人的には苦みが強く、あまり好みではありませんでした。
ただ、ここまでのちこり村のおせち料理がすべて予想以上に美味しかったので、少し期待を抱きながら口に運んでみました。
やっぱり美味しい!
確かに苦味は感じられますが、それは不快なものではなく、旨味を引き出すための絶妙な苦味でした。まさに大人の味わいです。
鰊と昆布の食感も見事に調和していて、素晴らしいの一言。後で知ったのですが、この鰊昆布巻はちこり村のこだわりの料理のひとつで、完成までに約5日もかかるそうです。
手間暇をかけた分、きちんと味に反映されている素晴らしい料理だと思います。
田作りと黒豆
残りの2品は、カタクチイワシを甘辛くパリッとした食感に仕上げた「田作り」と、厳選された黒豆を柔らかくふっくらと炊き上げた「黒豆」です。
残念ながら写真はピンボケしてしまったのでありませんが、両方ともすごく質の高い料理でした。
特に田作りは、おせちの中でも鰊昆布巻以上に苦手意識があった料理です。しかし、ちこり村の田作りは「美味しい!」とまでは言えなくても、十分食べられるレベルでした。
田作りの作り方を見ると、非常に手間のかかる工程の連続で、思わず「うわぁ…大変そう」と呟いてしまいました。
ちこり村の公式オンラインショップのレビューを見ると、ほとんどが高評価で、5段階評価の平均は4.4程度でした。高評価の内容は私も共感できるものばかりです。
特に「素材の旨味を最大限に引き出しつつ、濃すぎない上品な味付けで食べ飽きない」というレビューは、ちこり村のおせちの魅力を的確に表現していると感じました。これが多くの人々から支持される理由なのでしょう。
一方、低評価のレビューの大半は、価格の割に量が少ないという内容でした。確かに最初はそう感じましたが、これはあくまでお試し用のおせち。本格的なおせちを購入する前の味見用と考えれば、この量は妥当かもしれません。
また、お試しおせちで利益を上げているのではないか、という指摘もありました。
しかし、冷蔵便の配送費や梱包資材だけでも1000円近くかかり、容器や食材費、人件費なども考慮すれば、おそらく赤字か損益分岐点程度の収支ではないでしょうか。
➡ちこり村 お試しおせちの口コミ・レビューをもっと見る(楽天市場)
まとめ:ちこり村のおせちは薄口ながら旨味たっぷりで美味しい!
以上が、人気の通販おせち店【岐阜・中津川 ちこり村】のお試しおせちを食べた感想や口コミ・レビューです。
ちこり村のおせちの特徴は以下の3点です。
- 素材の旨味を最大限に生かした、薄味ながらしっかりとした味付け
- 手間暇かけた調理法で、一品一品が丁寧に仕上げられている
- 特に人気の栗きんとんやフルーツチーズなどのデザートが絶品
値段は送料込2000円弱で、人気1位2位のスイーツを中心に8品目入り。
他社と比べサイズが小さめで品数も少なめでしたが、実際に食べてみると評価は一変。どの料理も製造者のこだわりが感じられる味わいで、非常に美味しかったです。
基本的な味付けは「薄口ながら旨味たっぷり」。素材の良さを残しつつ、臭みなどの好ましくない部分はきちんと除去されていました。
これまで食べた、どのおせちよりも質の高さを感じ、本番のおせち購入への思いがより強くなりました。
お試しおせちも本番同様、発売から約1ヵ月で売り切れるそうです。購入をご検討の方はお早めに。
※ちこり村の冷蔵おせちはお届け日と配送エリアが限定されています。お届け日は12月31日のみ、北海道・青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島・山口・愛媛・高知・九州・沖縄エリアの人は注文できません(冷凍おせちは全国配送可)。
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【洋風おせち】
【主原料が国産の安全安心おせち】
参考にさせていただいた記事・サイト