ここ最近、スーパーの米売り場を見ると目を疑うような価格表示。
「え?これ本当に5kgの値段?」と二度見してしまうほどの高騰ぶりに家計を預かる身としては頭を抱えています。
食卓の大黒柱であるお米の値段が急上昇する中、国産米よりも安価な『むすびの郷』という台湾産ジャポニカ米を見つけて購入してみたので、日本産のお米との違いや美味しく炊飯するコツなどを紹介します。
数年前の2倍?止まらないお米の価格高騰
私が普段食べているのは、亜糊粉層と金芽を残した「金芽米」というお米です。
➡当ブログの記事:金芽米の炊き方は浸水が重要!白米との違いやグレードも解説
数年前は1kgあたり450円くらいでしたが、今では1kgあたり1,000円を超え、さらに品薄状態で販売休止になっていることもしばしば…。
米のストックが残り少なくなり、少しでもお得に買いたいと楽天市場のセールを待っていましたが、セールまでもたなそうなのでつなぎのお米を買いに近所のスーパーへ。
そこで目に留まったのが、国産米より少しだけ安い台湾産の『むすびの郷』でした。
台湾産米『むすびの郷』とは?
パッケージには「むすびの郷は、台湾と日本を”むすぶ”お米です」と書かれています。
台湾では日本の明治から昭和にかけて品種改良を行い、粒形、大きさ、食味を日本産米に近づけることに成功したそうです(自称)。ほのかな香りと、ふっくらとした食感が特徴のジャポニカ米とのこと。
安全性については、西友が公表している情報によると約600項目以上の残留農薬検査を経ているそうです。輸入食品は検査が厳しいので安心して食べられる点は評価できますね。
価格は安いとはいっても1kg750円くらいで、1kg900円程度の一般的な国産米と比べると大きな差はありません。高率関税の影響で思ったほど安くならないのでしょう。
私が子供の頃、同じように米不足・高騰があった時期に食べたタイ米(細長いインディカ米)とは違い、この台湾米は見た目は国産米とよく似ています。
日本のお米によく似た外国産米の味に興味が湧き、購入してみることにしました。
見た目や香り
家に帰って袋から出してじっくり観察してみると、国産米と比べて不透明な粒や欠けた粒が多く混じっているのが目立ちました。色も真っ白ではなく少し黄色っぽいです。
パッケージをよく見ると「複数原料米」と表示されていました。
これは複数の産地や品種のお米が混ぜられているということ。コスト削減のために行われることが多く、これが粒の質にばらつきが出る原因かもしれません。
次に気になったのはニオイ。いつもの国産米とは明らかに違う、なんとなく鳥の餌を思わせるような独特の香りが漂っていました。
この台湾産米が古米(収穫から1年以上経過したお米)なのか新米なのかは分かりませんが、古米は米の脂肪分が酸化することでぬかのようなニオイがするようです。
まあ、価格が国産米より2割ほど安いのだから仕方ないかと思いつつ、洗米して1時間ほど浸水させた後、鍋で炊いてみました。
実食レポート:味も香りも国産米に及ばない
炊きあがった瞬間、立ち上る湯気と共に感じたのは独特のニオイ。先ほどの鳥の餌のようなニオイが少し変化した感じで食欲をそそるものではありません。
見た目については、粒の形は普通の国産米と大差ないものの、ツヤがほとんどないのが気になりました。

『むすびの郷』の米粒のツヤ感

参考:金芽米の米粒のツヤ感
そして最も重要な味ですが、国産米と比較すると甘みが明らかに少なく、炊き立てのお米の美味しそうな香りも感じられません。
炊き立てなのにまるで二日目の米のような香りと味…。さらに冷めると食味は大幅に劣化し、正直食べるのがしんどかったです。
いつも食べている金芽米は冷めても美味しく、二日目でも香りと甘みをしっかり感じられます。日本米の素晴らしさを再確認しました。
100点満点で評価するなら、金芽米が100点なら、この台湾産米はそのままでは40点といったところでしょうか。
結論として、そのままでは「食べられないことはないが、美味しいとは言い難い」というのが正直な感想。1kgあたり200円程度の価格差であれば国産米を選びたいというのが我が家の総意でした。
丁寧な洗米とハチミツで国産米と同等レベルに?
どうすればこの米を美味しく食べられるだろう?と試行錯誤した結果、100点満点とはいかないものの70~80点、つまりある程度の質の国産米と同等レベルまで引き上げることに成功しました。
私がやったのは次の2点です。
- 洗米をいつもより念入りに丁寧に行う
- ハチミツを小さじ一杯くらい入れて炊く
洗米を丁寧に行うとお米表面の酸化した脂肪分(ぬか臭さの原因)が落ちます。
特に最初の洗米水は素早く捨てることが重要。お米は水に触れた瞬間から水分を吸収し始めるため、最初の水に浮いたぬかや酸化した脂肪分のニオイも一緒に吸い込んでしまうからです。
ハチミツの種類は何でもいいと思いますが、我が家では健康と美味しさを考慮してアカシアハチミツを使用しています。
➡当ブログの記事:アカシアはちみつの健康効果と選び方|国産・外国産4種類を食べ比べレビュー
ハチミツの代わりに日本酒やみりんも試してみましたが、ハチミツが最も効果的でした。
この方法で鳥の餌のような独特のニオイがかなり軽減され、米粒にも多少ツヤが出て甘みも感じられるようになりました。冷めた米や二日目の米も普通の国産米と遜色なく食べられるようになったのには驚きです。
調べてみると、ハチミツに含まれているアミラーゼという酵素がデンプンを分解して甘みを引き出し、同時にハチミツの糖分がお米の保水性を高めて食感を改善するとのこと。さらに古米特有のぬか臭さも和らげる効果があるようです。
もち麦ご飯でさらにコスパアップ!
その後、さらなる節約と健康効果を求めて、1kgあたり500円程度の「もち麦」を3分の1ほど混ぜて炊くようになりました。プチプチとした心地よい食感に加え、健康効果も高いのでお勧めです。
お米に混ぜて炊くものとしては、もち麦以外にも「押し麦」や「ビタバレー」も知られています。
同じ大麦の仲間ですが、押し麦はプチプチとした食感で白米に近い味わいを持ち、ビタバレーは押し麦にビタミンB1とB2を添加したもので疲労回復効果が期待できます。用途や好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
➡当ブログの記事:【米高騰対策】もち麦で節約&健康に!芯が残る半生問題の解決方も
さいごに:台湾産米は工夫次第でアリ?
台湾産ジャポニカ米『むすびの郷』は、そのままでは日本産米に比べて食味が劣りますが、ハチミツなどを加えて工夫すれば十分に美味しく食べられることがわかりました。
個人的には、もう少し国産米との価格差が大きければ台湾米も候補に入れやすいのですが、現状の価格差では悩ましいところ。
水が冷たい冬場の入念な洗米は手間ですし、毎回ハチミツを足すとそれもコストアップになりますからね…。
ただ、台湾産米は割と好評のようで、例えば西友では2024年11月から国産米と比べて2割ほど安い価格で『むすびの郷』を提供し始め、想定以上の反響があったそうです。
今後も国産米の価格高騰は続くと予想されるため、選択肢の一つとして外国産米を検討する機会もあるかもしれません。その時はぜひ今回紹介した方法を試してみてください!
#外国産米 #台湾米 #むすびの郷
参考にさせていただいた記事・サイト