2020年の市販おせちの市場規模は600~630億円程度と、20年間で倍増しています。大家族の減少、単独世帯の増加、共働き世代の増加などが影響しているようですね。
節日(祝事を行う季節の節目となる日)に作られる料理。節日の中で最も重要なのが正月であることから正月料理を指すようになった。
特に急拡大しているのが【通販おせち】です。
ECの普及により、家にいながら手軽に購入できる通販おせちの需要が増加し、年5%弱程度のペースで市場が成長しています。
以前は通販おせちに対して「美味しくない」「高い・値段に見合わない」「不衛生」など、否定的なイメージを持っていましたが、実際に食べてみると予想外に美味しかったので、自分でも注文してみることにしました。
らでぃっしゅぼーや×鹿祿 通販おせち「福来」の概要
最終的に選んだのは、【らでぃっしゅぼーや】の通販おせちです。
「主原料は全て国産」「化学調味料・保存料・合成着色料は一切使わない」という点が決め手となりました。
やっぱり安全第一!
1988年創業。有機・低農薬野菜、無添加食品などを宅配するサービス。2018年に自然派食品宅配業界最大手の「オイシックス・ラ・大地 社」に買収されサービスブランドとして運営を継続している。
2021年度のらでぃっしゅぼーやおせちは2人向けの「福来(ふく)」、3人向けの「慶福(けいふく)」、同じく3人向けの「彩(いろどり)」、そして3~4人向けの「牡丹(ぼたん)」の計4種類が発売されていました。
値段は「福来」が約10000円、「慶福」が約16000円、「彩」が約30000円、「牡丹」が約35000円です。
高級おせちではないけれど一般的なおせちよりも若干高い感じかなと。
その中から、私が選んだのは少人数用・2人向けの「福来」です。
まだ通販おせちに対して不信感があったのでとりあえずお試しといった感じ。もし高いのを選んでとんでもなく粗末なものが来たら目も当てられないので(笑)
おせちの中身と見た目
12月30日に予定通り到着。ピンクの可愛い風呂敷に包まれたおせちとお品書きなどが同梱されていました。
購入時に冷蔵と冷凍から好きなほうを選べたのですが、今回はすぐに食べられる冷蔵を選択。
見た目は商品説明ページとほぼ同じで、具材がきっちり詰まっていました。崩れもほとんどなく、通販おせちの配送ノウハウを感じました。
お品書きには25品全ての料理名と作り方などの説明が添えられており、全メニューの原材料一覧表も同梱されていました。
調味料まで細かく記載されているのでアレルギーの人も安心ですね。
お品書きや原材料一覧は公式サイトの商品ページからも確認できます。
鹿祿(しかろく)について
らでぃっしゅぼーやと提携してこのおせちを作っているのは【鹿祿(しかろく)】という会社です。
鹿祿は昭和63年に発足し、本社は徳島県にあります。料亭やホテルなどから依頼を受け料理を作る「セカンドキッチン」として業績を伸ばしている会社です。
鹿祿では、材料の調達からの仕込み、魚の下処理やカット野菜などの一次加工から、ドレッシングを始めとする各種ソース、前菜からメイン、デザートに 至るお客様レシピオーダーによる商品開発、製造まで幅広く対応しております。
打ち合わせから商品開発まで、プロの料理職人がお客様のご要望を的確に読み取りながら、ご満足いただける商品を提供いたします。
知り合いのプロの料理人Aさんによると、鹿祿には元ホテルの料理長や2番手の料理人など、腕の良いプロが働いているとのことです。
らでぃっしゅぼーやのおせちがきちんとした会社で作られていることが分かり、また一安心。
ちなみに、Aさんは毎年おせちの企画や調理を先頭に立って行っていて、毎年全国で数十人しかもらえない厚生労働大臣表彰も受賞しているホンモノの料理人です。
「福来」の味と個別料理の評価
おせちの見た目について、私と相方は彩りが綺麗で美味しそうだと感じました。一方、プロの料理人Aさんは「茶色と黒が多くてやや地味」と評価しました(厳しい 笑)。
「福来」は2人向けのコンパクトなおせちで、お重のサイズも小さめ(160×140×160mm)。
料理の数に限りがあるため、色合いが多少地味になるのはやむを得ないと個人的には思います。
海老と数の子
このおせちの主役は「海老(足赤海老)」と「数の子」です。
海老の品質は非常に高く、身がしっかりと詰まっていて美味しかったです。
一般的な高級おせちに入っている伊勢海老やロブスターは塩蒸しで調理されるため、ほとんど味がつきません。しかし、このおせちの海老は醤油ベースのタレで煮られており、しっかりとした味わいを楽しむことができました。
数の子については、私たち素人二人は概ね満足でしたが、プロの料理人Aさんの評価は少し厳しいものでした。Aさんは数の子の渋みと、ややくすんだ色合いを気にしていました。
Aさんによると、現状のだし漬けでも美味しいのですが、西京漬け(といっていた気がする)にすれば、色味がより良くなり、渋みも和らぐそうです。
Aさんは詳しく説明してくれましたが、専門的な内容で私にはあまり理解できませんでした(笑)
なますと人気料理
一番好評だった料理は、意外にも「なます」でした。
食感と味のバランスが絶妙で、非常に美味しかったです。Aさんも「今までおせちで食べたなますの中で一番美味しい」と絶賛していました。
その他の料理では、相方が「牛蒡ごぼうけんぴ」を高く評価。おせちには珍しい揚げ物料理で、味のバランスが良く美味しいと感じたようです。
一方、Aさんは「菜の花お浸し」を気に入っていました。瑞々しさと味わいが自分好みだと評価していました。
私は全体的に美味しいと感じましたが、特に「鮭の焼物」がお気に入り。ホクホクとした食感と豊かな旨味が印象的でした。
一般的に、市販弁当などに入っている鮭は硬く締まっていて美味しさを感じられないことが多いのですが、このおせちの鮭は食感も味も格別でした。
逆に、「鰤の味噌焼き」については、やや締まりすぎている印象がありました。
もう少しふっくらとした食感であれば、さらに美味しく感じられたかもしれません。
黒豆と蒲鉾
おせちの定番「黒豆」は3人とも美味しいと評価しました。
Aさんによると、黒豆は数日かけて徐々に蜜を甘くしていく必要があるそうで、その調理の難しさを熱心に説明してくれました。
親指と薬指で軽く潰れる程度の柔らかさが理想的だそうで、今回のおせちの黒豆は絶妙な仕上がりだったようです。
一方、「自家製蒲鉾」については意見が分かれました。
私はコクがあって美味しいと感じましたが、他の2人の評価はやや厳しいものでした。
でんぷんが多すぎてふわふわになりすぎており、食感と味が好みに合わなかったようです。
「若筍しんじょう」や「桜海老手取り丸」など、他のすり身系の料理と差別化するためにも、すり身の量を増やしてもう少しプリプリした食感が欲しかったとのこと。
個人的には、2人の意見が厳しすぎるだけで、どのすり身系料理も十分美味しかったです。
総合評価とコストパフォーマンス
今回は、らでぃっしゅぼーやの少人数用通販おせち「福来」をお取り寄せして食べてみました。
三人ともそれぞれ好みの料理や物足りないと感じた料理はありましたが、全体的には合格点で一致。
「薄味」の味付けが気に入ったのも共通でした。
味付けについて、もう少し詳しく書くと、一般的におせちは濃い味付けというイメージがありますが、このおせちは控えめの味付けで素材本来の味わいが生きており、とても美味しく感じました。
Aさんによると、冷凍技術の向上により薄味の調理が可能になったそうです。
唯一濃い味と感じたのは「金団」でした。徳島県の金時芋ペースト(鳴門金時かな?)を使用しており、かなり甘めの味付けでした。
価格の妥当性については意見が分かれました。
私は10000円は妥当以上、相方は妥当、Aさんはやや高めだが送料込みならば許容範囲という評価でした。
ただし、Aさんと相方には「主原料は全て国産」「化学調味料・保存料・合成着色料は一切不使用」という点を伝え忘れていたので、この情報を考慮すればさらに良い評価になった可能性があります。
個人的な総評としては、以下の通りです。
- ボリューム:食欲旺盛な人にはやや物足りない
- 見た目:美しく、ギフトにも適している
- 味:薄味で全体的に満足できる高評価
- 素材:国産材料使用、添加物不使用は非常に評価できる
初めての通販おせち体験は予想以上に満足のいくものでした。次回はもう少し大きなセットを注文してみたいと思います。
おいしゅうございました!
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参考にさせていただいた記事・サイト