辛子明太子が好きな私は、これまでいろいろなメーカーの商品を試してきました。
最近、『ふくや』が日本で初めて漬け込み型の辛子明太子を作ったと知り、興味を持ちました。そこで、実際にふくやの家庭用明太子を購入してみることにしました。
ふくや:日本の辛子明太子の起源と歴史
以前、千曲屋の明太子について書いた記事でも触れましたが、ふくやは現在日本で主流となっている「漬け込み型辛子明太子」を最初に製造・販売し始めた偉大な辛子明太子メーカーです。
→(当ブログの記事)博多めんたいは美味しい!千曲屋辛子明太子の特徴や実食した感想
昭和23年、博多・中洲で小さな食品店を営んでいたふくや創業者・川原俊夫は「お客様に喜んでもらえるものを売りたい」と、自身の幼少期に韓国・釜山で食べていた“韓国風に味つけされたたらこ”を日本人の口にあうように工夫する事を思いつきました。
自身の記憶と舌を頼りに生まれた味は、たらこの親魚スケトウダラの朝鮮語「ミョンテ(明太)」とその卵(子)という意味から「明太子」と名付けられ、昭和24年1月10日に日本で初めて店頭に並べられました。
ふくやの創業者である川原氏は、辛子明太子の商標登録や製造法の特許を取得せず、同業者にも製法を惜しみなく教えました。
その結果、現在では多くのメーカーから様々な辛子明太子商品が販売されています。しかし、辛子明太子の発祥メーカーであるふくやの製品は、やはり特別な存在と言えるでしょう。
ふくやの明太子ラインナップ:特徴と種類
ふくやの辛子明太子の特徴は、厳選された原料と伝統的な製法にあります。
ロシアやアメリカで獲れた「すけとうだら」の卵のうち、最上級の「真子」(全体の約1割)のみを使用します。これらは船上ですばやく加工・冷凍され、素材本来の味を引き出すシンプルな味付けで仕上げられます。
この手法こそが、ふくや伝統の辛子明太子の味を生み出しているのです。
そして、今回私が購入したのは【家庭用明太子レギュラー無着色540g】という商品です。
値段は4000円弱なので、通常のギフト(味の明太子)に比べるとややお得です。※2020年時点
家庭用明太子シリーズは以下の5種類があります。
種類 | 着色 | 特徴 |
---|---|---|
着色レギュラー | あり | 発売当時からこだわり続けるふくや明太子の基本の味 |
着色マイルド | あり | 辛さが苦手な方に、辛さ控えめのまろやかな味 |
無着色レギュラー | なし | 発売当時からこだわり続けるふくや明太子の基本の味 |
無着色マイルド | なし | 辛さが苦手な方に、辛さ控えめのまろやかな味 |
無着色どっから | なし | 「激辛」の明太子。普通の辛さでは物足りない方へ |
商品の箱裏の原材料名に「発色剤」と記載がありました。これは明太子本来の赤色を引き出すために多くのメーカーが使用しているものです。
一方、「無着色明太子」は、色を変える「着色料」を使用していない製品を指します。発色剤と着色料は異なる役割を持つので、無着色でも発色剤が使われている場合があります。
ふくやは家庭用明太子以外にも、多様な商品を提供しています。
ギフト用明太子は形や大きさが均一な厳選品で、贈答用に適しています。また、季節限定や数量限定の特別な明太子も販売しており、これらはふくやのこだわりが詰まった逸品です。
家庭用明太子(切れ子)を実食レビュー
切れ子は"専用の味付け"で美味しく|ふくやの味へのこだわり
パックを開けると、片方の先端が切れた辛子明太子(切れ子)が入っています。
本数は一定ではなく、重量基準で詰められているため、私が開けたパックは4本でしたが、大きめの切れ子が3本だけのパックもありました。
形が不揃いなものや端部分が少し切れている明太子の事で、ギフト商品などには使えないため、それらよりも少し安めに提供されている。
ふくやの取り組みで私が感心したのは、「切れ子に合わせた浸けだれ・漬け込み方法」を採用している点です。
説明を聞いて納得したのですが、切れ子は皮が破れているので通常の漬け込み方だとたれが浸みこみすぎてしまうそうです。切れ子でも通常商品と同じような味を出すには、こうした工夫が必要なんですね。
「訳ありの規格外品などではなく、味・品質ともに自信を持ってお届けするご家庭用明太子です!!」というふくやの売り文句。これは決して誇張ではなく、実際にその通りだと感じました
辛子明太子にはやっぱり白ご飯が合う
明太子を使った料理は和風・洋風と様々ありますが、私は白ご飯に乗せて食べるのが一番好きです。
高級な明太子なので他の料理に使うのがもったいなく感じてしまいます(笑)
白ご飯はカロリー控えめの東洋ライス「金芽米」を愛食中です↓
→(当ブログの記事)金芽米の炊き方は浸水が重要!白米との違いやグレードも解説
ただ、アルミホイルに乗せてトースターで軽く焼いた半生状態の明太子も美味しかったです。
皮のジュルっとした食感が苦手な人には、サクッと噛み切れて香ばしい香りが食欲をそそる半生明太子がおすすめですよ。
他にも、タコス、茶漬け、パスタ、ホイル焼き、巻き寿司、卵焼き、ピラフなど、明太子を使った料理はたくさんあります。ぜひいろいろ試してみてください。
ふくやの明太子の総合評価
ふくやの辛子明太子を食べた感想は、一言で言えば「美味しい!」です。
その味は、自分が知っている辛子明太子を洗練させたような感じ。安価な明太子にありがちな生臭さや人工的な味わいがなく、不要な風味を取り除いた上で旨味が加わった、食べやすい味わいです。
この美味しさの秘密は、創業当時から変わらない唐辛子を使用した味付けと、原料へのこだわりにあります。
船上で細胞を壊さないよう凍結処理した新鮮なスケトウダラの卵を使用し、さらに辛子明太子に適した成熟度のもののみを厳選。これらの工夫が、一般的な辛子明太子との味の違いを生んでいるのでしょう。
辛さについて
辛さについては、今回「レギュラー」を選びましたが、辛さに耐性のない私にはまあまあ辛く感じました。
ただし、単純な辛さだけでなく旨味もしっかり感じられるので、「辛美味しい」という表現が適切かもしれません。一般の方にはレギュラーの辛さがちょうど良いでしょう。
私自身は辛さが苦手なので、次回はマイルドを試してみるつもりです(笑)。
一方、辛さ好きの方には「どっから」がおすすめです。さらに辛いものを求める方には、公式サイトで紹介されている「辛皇」(ホットエンペラー)があります。
「ふくや史上最も辛い明太子」「これまでにない刺激的な辛味」「口の中が燃えるような辛さ」など、その説明は強烈です。辛い物好きの方でも、覚悟を決めて注文する必要がありそうですね。
ふくやの明太子の保存方法と注意点
この商品は540gと多めですが、135gずつ「小分け」にされています。
これは一気に食べきれない人や家族向けの配慮で、開封後の品質維持と衛生面から見てとてもありがたい工夫ですね。
公式サイトでは「すぐに食べない分は、届いたらそのまま冷凍庫へ」と冷凍保存を推奨。ただし、冷凍保存の効果は冷凍庫の性能に左右されます。
高性能な冷凍庫なら明太子の品質を保てますが、一般的な冷凍庫では旨味が損なわれる可能性があります。実際に私も試してみましたが、家庭用冷凍庫では味が少し落ちてしまいました。
味の劣化を避けるなら、知人と分け合ったり、自分で食べきるなど、冷凍せずに消費期限内に食べ切るのが最善でしょう。
まとめ
ふくやの辛子明太子は、日本の辛子明太子の起源であり、その味は老舗ならではの品質の高さを感じさせます。
値段的には他のメーカーよりもやや高めですが、その味は確かにプレミアム。
その味をギフト用に比べてリーズナブルな価格で楽しめる家庭用の切れ子タイプはおすすめです。辛さや着色の有無など、好みに合わせて選べるのも魅力的ですね。
ぜひ一度、日本の辛子明太子の原点、ふくやの味を試してみてください!
#ふくやの明太子 #博多明太子
参考にさせていただいた記事・サイト