お寿司やラーメンなどと並んで毎年日本人が選ぶ「好きな食べ物(料理)」のベスト3に入っているのが【焼肉】。
消費者の節約志向や中食市場の拡大などによって外食市場全体の成長率は鈍化傾向にありますが、焼肉業界は大手3社(レインズインターナショナル、物語コーポレーション、あみやき亭)を中心に毎年増収を達成しており好調な業績を維持しています。
しかし、新型コロナウイルスの影響により外食市場の状況は一変。
緊急事態宣言が解除された6月以降は徐々に客足が戻りつつありますが、ファストフードを除く多くの業種業態で苦境が続いています。
焼肉業界においても厳しい状況は続いていますが、換気性の高さをウリにしたり、食肉販売業の許可を得ている店舗ではテイクアウト販売に力をいれるなど、その他の業界に比べれば健闘しているほうではないかと思います。
テイクアウトに注力している店舗の中には家庭用ロースターの貸し出しを始めたりと面白い試みをしているようですね。
私も以前よりは焼肉を食べに外に出かけることが減り、焼肉屋さんのテイクアウトを利用したりお肉屋さんで好きな部位を買ってきて家で食べることが増えました。
家で焼肉をする上で気になるのがやっぱり「煙(けむり)」と「味」。
この二つの問題を解決するため、焼肉各社が工夫を凝らした商品を開発・販売していますが、値段や性能、使いやすさ、片付けの容易さなどを総合的に評価・比較した場合、「これしかない!」とはっきり言える抜きん出た商品はまだ出てきていないように思います。
ニトリ 蒸し焼きグリルパン(IH)の特徴
これまでにいろいろな商品を使ってきた私が現在愛用しているのは「ニトリ」さんが販売している【蒸し焼きグリルパン(IH)】です。
「蒸し焼き」という名前がついているので、本来は焼肉を焼くためのものではないかもしれませんが、肉を美味しく焼けて片付けも楽な便利なアイテムなんですよ。
このグリルパンはアルミニウム合金製で、中心部分には余分な油が落ちる溝が切ってあります。
底の厚みは3.2mmとやや厚めでサイズは幅44×奥行23.2×高さ10.6cm。
一般的な焼肉焼き器のように熱源がついているタイプではなく、ガス火やIHクッキングヒーターの上に乗せて使うフライパン(プレート?)です。
値段は3000円程でした。
購入動機ですが、まず大前提として我が家では基本焼肉はキッチンで行います。
食卓で焼肉すると、煙は当然として油跳ねや臭いに加えてたれが飛び散ったりと家は汚れるし、後片付けも面倒…。
それがキッチンなら優秀な換気扇があり、元々調理することを前提に設計されているので汚れにも強く、焼肉が終わった後の片付けもすぐ横にシンクがあるので便利とメリットが盛り沢山。
デメリットは大人数で一緒に食べられないことと基本立ち食いになることくらいですかね。
ボッチ焼肉がメインの人には特におすすめ。
そして、我が家にはIHクッキングヒーターしかなかったことが購入の決め手になりました。
ガス火のみ対応ならいろいろな選択肢から選べたのですが、IH対応で焼肉が焼ける溝有り+底厚めのフライパンってなかなかないんですよね。
溝有りは焼肉には必須条件。油がカットできてヘルシーだからというより、平らなフライパンで肉を焼くと油で揚げたみたいになって個人的に美味しくないんです。
底厚めについては、IHクッキングヒーターを使っている人なら共感してくれると思うんですが、底が薄いフライパンで高熱調理するとすぐに底が反って使い物にならなくなります。今まで何個フライパンをダメにした事か…。
IHを使っていてフライパンがすぐにダメになる人は底が厚めのタイプを使うと長持ちしますよ。
さらに厚めのフライパンだと一気にたくさん肉を焼いても温度が下がりにくいので美味しく焼けるし良いこと尽くめです。
➡(当ブログの記事)【エバークック感想】IHでも焦げないフライパンという評判は本当だった
ニトリのグリルパンで肉を焼いてみた
それでは肉を焼きながらどんな感じに焼けるのかを紹介したいと思います。
お肉は国産のものをセレクト。
我が家は裕福ではありませんが、牛肉に関しては食べる回数を減らしてでも国産のものを選ぶようにしています。
理由は成長ホルモン(エストラジオールなど)。いろいろな病気の原因にもなるので特にアメリカ産のものは絶対に避けるようにしています。
子牛の成長を早め飼育コストを削減できるため、アメリカでは1950年頃から成長ホルモンを投与して牛を育てていますが、ホルモン剤の残留した肉を食べることによる異常な性的発育やがんの誘発が危惧されています。個人的にはEUのようにホルモン剤を使用した牛肉を輸入禁止にしてほしいですね。
➡(当ブログの記事)ウルグアイ牛肉は肥育ホルモン剤不使用で安全!草臭さは一工夫で軽減可能?
表面に油を塗っておくと焦げにくい
肉を焼く前に牛脂を表面に塗ります。
グリルパンの表面には一応「ふっ素樹脂塗膜加工」が施されていますが普通にくっついて焦げます(特に買って間もない頃)。
焼肉のときには牛脂を、それ以外のものを焼くときにはサラダ油などを塗っておくと焦げ対策になります。
カルビを焼く
まずは「カルビ」から。
若い時は最初から最後までカルビでもOKだったけど、年を取ってくると脂がきつくなってくるんですよね。
最近は一番最初に少しだけ食べるようにしています。
一回でだいたいこれくらいの量が焼けるので一人もしくは二人くらいで焼肉をするのにちょうどいいかと。
焼肉のときは洗い物を減らすために、一体型で汚れや臭いがつきにくいステンレス素材の食器を使っています。多分100均のセリアで買ったやつ。
焼肉のたれはファンも多いダイショーさんの【秘伝 焼肉のたれ】がお気に入り。ニンニクをたくさん入れても美味しいですよ。
脂が多めのお肉は少し赤いくらいが美味しいですね。
記事を書いていると味を思い出してまた食べたくなります(次食べられるのはいつになるのやら笑)。
イチボを焼く
お次は「イチボ」。
イチボは腰周辺のモモ肉のうち、下側の柔らかい部分を切り出した赤身の多いお肉のことらしいです。希少部位だとお肉屋さんにおすすめされたので買ってみました。
脂が少なめであっさりしているけど、とても柔らかくて美味しかったです。
ハラミを焼く
そして一番好きな部位といっても過言ではない「ハラミ」も。
ハラミは牛の横隔膜の背中側の筋肉の部位です(腰椎側は「サガリ」という)。昔はずっと赤身肉だと思っていましたが、分類的には内臓系に入るんだそう。
このハラミ、焼肉屋さんなどでは定番ですが、スーパーマーケットとかではあまり見かけないし、たまに見つけても外国産(オーストラリア産が多い?)ばかりなんですよね。
我が家では外国産牛肉は基本NGなので、食べたいなと思ったときには肉屋さんに電話して国産牛のハラミがあるか尋ねたり、ネット通販で買うようにしています。
赤身を焼く
最後は「赤身肉」。
質のあまり良くない赤身は固くて美味しくないけど、良質のものは焼いても柔らかくて味も濃く美味しいです。
昔は「霜降り肉」が最上で赤身肉の人気はいまひとつでしたが、最近は「赤身肉ブーム」とやらの影響もあってか、霜降りよりも赤身が好きという人も増えてきているようですね。
牛肉本来の味を楽しみたい方や私のように脂多めの部位があまり食べられなくなった人にはおすすめです。
片付けのポイント
十分焼肉を堪能した後は片付けの時間。
食器や器具をシンクに持っていき、キッチン周りをきれいにしたらグリルパンの片付けに取りかかります。
冷えてからシンクへ、ではなくグリルパンが熱いうちに水をかけ、表面の汚れや焦げ付きをティッシュペーパーやキッチンペーパーなどで簡単に落としておくと後で手間なくきれいに洗うことができます。
最初の頃はこの工程を省いていたので洗うときに汚れや焦げがなかなか落ちず大変でした。
このひと手間を加えることで後片付けが本当に楽になり、また焼肉をしたいという気持ちになります。
まとめ
以上、『蒸し焼きグリルパン(IH)』を使った焼肉レビューでした。
このグリルパンは煙や臭いを抑えられるタイプの調理器具ではないので基本換気扇下での立ち食いに向いていますが、IH調理器に対応していて、肉を美味しく食べられ、後片付けも簡単というのが最大の特長です。
室内でも煙や臭いがOKという家庭なら、カセットコンロや携帯型のIH調理器を使い食卓で焼肉もできます。ただ、携帯型のIH調理器はパワーが弱いものが多いので焼き感はあまり良くないかもしれません。
牛肉以外でも豚肉や鶏肉(焼き鳥が多い)、ランチョンミート(スパムなど)などを焼いてもフライパンに比べて美味しくヘルシーに食べることができます。
懐が寂しいときは大量のもやしを盛り、上に豚肉をほんの少し乗せて蓋をして蒸し、タジン鍋風にしたりも。
もちろん本来メーカーがおすすめしている魚を焼くのにも使えます。
私の場合、据え付けのグリルを使うと汚れや臭いが気になるので魚を焼くときはいつもこのグリルパンを使っています。
ですが、公式サイトのレビューにもあるように皮や身が結構くっつくので使いやすいとはいえません。
レビューの通り、私も使いやすさを重視するなら肉や野菜の調理に向いていると思います。
フッ素加工されているとありますが、普通にくっつきます。皮はやぶれて身がボロボロになります。油おとし用に溝構造になっているので、逆に油を敷く事も出来ない為、焼き魚は諦めざるを得ませんでした。肉や野菜を調理するなら良いのでしょうが、焼き魚目的ならおすすめはしませんね。
引用:ニトリ公式サイト
IH対応かつ、油カットの溝有りで変形しづらく温度が下がりにくい厚めのグリルパン(焼肉プレート)を探している人は是非検討してみてください。
参考にさせていただいた記事・サイト