料理が好きな私ですが、毎日の自炊に疲れを感じることもあります。
そんな時、冷凍惣菜を自宅に届ける宅配食事サービス「宅食」の存在を知りました。
今回は、居酒屋チェーン「和民」で有名なワタミ株式会社が運営する『ワタミの宅食ダイレクト』を実際に10食試してみました。
このサービスの特徴や利用方法、メニューや値段、そして実際に食べた感想や評価を紹介します。
ワタミの宅食ダイレクトとは?
ワタミが運営している宅食サービスは大きく分けて2種類あります。
ひとつは「ワタミの宅食」という、専門の配達員(まごころスタッフ)が自宅まで"常温"の弁当を届けてくれるサービスです。
もうひとつは今回紹介する『ワタミの宅食ダイレクト』という、運送会社が自宅まで"冷凍惣菜"を届けてくれるサービスです。
ワタミの宅食ダイレクトの特徴
『ワタミの宅食ダイレクト』の特徴は以下の通りです。
- 冷蔵のお弁当宅配No.1「ワタミの宅食」ならではの経験と実績がある
- 管理栄養士が設計したバランスの取れた料理がある
- 塩分やカロリーに気をつけたい人や品目数や食べごたえが欲しい人にも対応したメニューがある
- 好みの種類やコース、食数、間隔を選ぶことができる
ワタミの宅食ダイレクトの利用方法
『ワタミの宅食ダイレクト』の利用方法は簡単で、公式サイトから会員登録を行い、好みの食数・間隔・メニューを選んで注文するだけ。
支払い方法は後払い(コンビニ・郵便局・銀行)※手数料220円、代金引換※手数料330円、クレジットカードの3種類です。
注文した商品は注文受付日から大体4~6日前後で冷凍宅配便で届きます。
ワタミの宅食ダイレクトの種類(メニュー)や値段
↑のようにいろいろなメニュー・コースがありますが、今回私が購入したのはメインと副菜2品の定番メニュー「いつでも三菜」です。
値段は都度購入か定期購入(定期の方が安い)か、一度に注文する食数の多さ(多い方が安い)、住んでいる地域によって異なります。送料は本州・四国・九州が800円、北海道が1100円、沖縄が2200円。
例えば「いつでも三菜」を都度購入で10食注文すると、ごはんなしで4890円プラス送料、ごはんありなら6490円プラス送料(2023年12月時点)という感じです。
例2:四国在住「いつでも三菜」ごはんなしを定期購入で7食注文→3821円+800円=4621円/1食あたり660円 ※全て税込み
1食あたり569円(送料込)は高いと感じるかもしれませんが、冷凍宅食サービスの中ではまあまあ安い方です。
『ワタミの宅食ダイレクト』はプレミアム会員ランクという制度を導入していて購入回数によって少しずつ値段が下がるのもありがたいですね。
現在進行形でいろいろな冷凍宅食サービスを試していますが、『ワタミの宅食ダイレクト』の値段は比較的安い部類に入ると思います。
- nosh…10食プラン5990円+送料1056円=1食あたり約700円
- DELIPICKS…10食プラン7870円+送料1089円=1食あたり約890円
- 三ツ星ファーム…14食プラン11032円+送料990円=1食あたり約850円
食材を大量に安く仕入れたり、運送会社と強気に価格交渉ができる、東証プライム上場の大企業だからこその価格設定ですね。
初めての購入時にはお得なサービスを利用できる
初めての購入時には「お試し割10食セット」と「はじめて割」という2パターンのお得なサービスがあります。
「お試し割10食セット」は一度だけ少しお得な値段で購入できるサービスです。
「いつでも三菜」10食セット(ごはんなし)が3900円プラス送料、「いつでも五菜」10食セット(ごはんなし)が4880円プラス送料で購入できます。
「はじめて割」は3回分の送料が無料になるサービスです。
「いつでも三菜」10食セット(ごはんなし)なら4645円、「いつでも五菜」10食セット(ごはんなし)なら5633円の商品代金のみで購入でき、3回分の送料が無料になります。※注文から3回分は商品の変更・キャンセルはできない
1食あたりで安いのは「はじめて割」の方ですが、今回はワタミの宅食がどんなものなのかを試してみるのが目的なので「お試し割10食セット」をセレクトしました。※どちらか一方しか利用できない
ワタミの宅食ダイレクトを実食!味や原材料などの感想と評価
商品到着前に冷凍庫のスペースを確保
商品が到着したのは注文から5日目くらい。佐川急便の飛脚クール便で届きました。
商品が届いて最初に思ったのは"冷凍庫のスペースをかなり占拠しそう"だなということ。
「いつでも三菜」の容器サイズは縦約17.6cm×横約13.6cm×高さ約2.6cm。
10個セットならこれを10個置けるスペースが必要なので、到着前に冷凍庫を整理しスペースを確保しておきましょう。
個人的には、冷蔵庫に結構なスペースが必要ということが値段の高さと並ぶ宅食の大きな課題だと思います。
ワタミの宅食ダイレクト10食分の実食レビュー
それでは今回届いた10食の見た目や味の感想を書いていきたいと思います。
調理方法は非常に簡単で、袋の端をカットしてラベルの下に記載されているレンジ調理時間の目安通りに温めるだけ。
あとで知った事なのですが、レンジの出力は600Wよりも500Wの方が旨味が詰まったドリップが出にくく美味しく解凍できるみたいです(DELIPICKS調べ)。
タラのもろみ味噌
一番最初に食べたのは「主菜:タラのもろみ味噌/副菜:蓮根天ぷらと竹輪天ぷらのおろしあえ・キャベツと薄揚げのおかか和え」。
『ワタミの宅食ダイレクト』では200gの冷凍ごはんを約160円で購入可能ですが、私は健康のために何年も前から金芽米を食べているので今回はごはんなしのコースを選びました。
自分でごはんとみそ汁を用意して…
これが『ワタミの宅食ダイレクト』の一食目!
黒の無機質なプラ容器がちょっと味気ないというか寂しい気がするけど、料理の見た目はまずまず。
副菜はなんだか分からないような料理がちょっぴり、というのではなく、量は少ないけどきちんとした料理が入っていて好印象ですね。
肝心の味ですが、味付けは全体的にかなり薄め。
メインのタラ料理は味噌の味は美味しかったですね。タラ自体は臭みなどはあまりなく普通の味、いんげんはほぼほぼ味なし。
副菜はキャベツの和え物の方は薄っすらかつおぶしの風味はあるものの基本水っぽくて味が薄め。
蓮根天ぷらの方は薄味だけど素材の味は感じられてなかなか美味しかったです。
きのこクリームのロールキャベツ
2食目は「主菜:きのこクリームのロールキャベツ/副菜:ごぼうとひき肉の炒め煮・小松菜と薄揚げのお浸し」。
こちらはメインがごはんよりもパンに合う料理なのでパンを用意しました。
全体的な味付けは1食目と打って変わってしっかりめ。
メインのロールキャベツは鶏肉が若干レトルトの味(レトルト食品に入っている肉特有の風味や食感)だったものの、味は濃いめで、ソースにタマネギスライスがきちんと入っていて悪くはなかったです。
副菜の方も食感は若干水っぽかったけど味自体はしっかりついていて良かったと思います。
ただ、メインも副菜も全体的に油っぽいという印象を受けました。
赤魚の煮付け
3食目は「主菜:赤魚の煮付け/副菜:枝豆のふわふわ豆腐あんかけ・ひじき煮」。
全体的な味付けはやや濃いめ+甘め。
メインの赤魚は魚の臭みをほとんど感じず、甘くて濃いめの味付けはご飯を呼びました。
副菜はひじき煮の方は良い意味でよくある味付け、豆腐あんかけの方は見た目に反してしっかり味がついていて濃厚な味でした。
全体的に見た目はちょっと貧相だと感じましたが、味はまずまず美味しかった。
エビチリ
4食目は「主菜:エビチリ/副菜:肉団子と野菜の黒酢だれ・わかめと豆もやしの中華和え」。
全体的な味付けはやや薄め。見た目はかなり良い。
メインのエビチリはあっさりプラスピリ辛で美味しかったです。
副菜は肉団子の方は薄めの味付けで素材の味もきちんと感じられました。
わかめと豆もやしの方はかなり味が薄く水っぽかったです。
銀鮭の塩焼き
5食目は「主菜:銀鮭の塩焼き/副菜:なすのミートソース・シャキシャキポテトサラダ」。
全体的な味付けはちょうどよい塩梅。
メインの鮭の塩焼きは若干塩が薄め。醤油をかけて食べたら美味しかったです。皮はパリッとしていて〇。
副菜はなすのミートソースの方はトマトの酸味が効いた味でさわやかで美味しかったです。
ポテトサラダの方は一般的な潰したポテトではなく細切のポテトで、味はよくある付け合わせのポテトサラダの味でした。
銀ヒラスの味噌焼き
6食目は「主菜:銀ヒラスの味噌焼き/副菜:肉詰めいなり・ブロッコリーのごま和え」。
全体的な味付けはしっかりめ。
メインの銀ヒラスは皮の方はわずかに臭みを感じましたが、身の方は全く臭みがなく悪くない味でした。
ちなみに銀ヒラスというのはオーストラリアやニュージーランドといった南半球で獲れる白身魚でシルバーとも呼ばれています。味噌漬けや味噌焼き以外ではフライやムニエル、煮付けなどにして食べられるそうです。
副菜は特筆するものはありませんが、メインも副菜も味がしっかりついていて美味しかったです。
サバの味噌煮
7食目は「主菜:サバの味噌煮/副菜:ほうれん草と油揚げの炒め物・金平ごぼう」。
全体的な味付けはちょうどいい塩梅。
メインのサバの味噌煮は味噌の味も良くサバもまずまず脂が乗っていて臭みも少なくすごく美味しかったです。個人的には今回の10食の中でMVP。
副菜もほうれん草の方は若干水っぽかったけど味は濃すぎず薄すぎずでちょうどいい味付けでした。
ビーフストロガノフ
8食目は「主菜:ビーフストロガノフ/副菜:マッシュポテトといんげん・コーンのバター炒め」。
全体的な味付けはちょうどいい塩梅。
まずはメインのビーフストロガノフですが、「これがビーフストロガノフ!」というものを多分食べたことがないので比較はできないけど、ミートソース的なもので牛肉を煮た感じの料理で美味しかったです。
副菜も地味だけどシンプルな味で良かったと思います。
プルコギ
9食目は「主菜:プルコギ/副菜:キムチチヂミ・キャベツと人参のごま和え」。
全体的な味付けはやや濃いめ。
メインはビーフストロガノフ同様、プルコギという料理をあまり食べたことがないので正解の味は分かりませんが、焼肉のタレがかかった肉入り野菜炒めという感じ。
副菜はキムチチヂミの方は、食感がもっちりしていて味はまずまず、キャベツと人参のごま和えの方も可もなく不可もなくという無難な味でした。
ねぎ塩チキングリル
最後は「主菜:ねぎ塩チキングリル/副菜:カニのふわふわ豆腐・ごぼうの金平」。
献立表には副菜がカニのふわふわ豆腐とキャベツと人参のハムサラダと書いてあったけど、なぜかハムサラダの代わりにごぼうの金平が入っていました。
全体的な味付けはやや薄め。
メインのねぎ塩チキングリルはねぎ塩だれがたくさんかかっていて美味しそうに見えたけど、味の方はたれも鶏肉もまあまあ。皮にちょっと臭みを感じました。
副菜の方はふわふわ豆腐はまずまず、ごぼうの金平はよくある味で一言でいうと普通ですね。
総合的な味や見た目の感想
以上が私が食べた『ワタミの宅食ダイレクト』の10食の感想です。
総合的な味の感想はお値段通りという感じ。
実は個人的に「ワタミ」に対してあまり良いイメージを持っていなかったので、値段は同業に比べると少し安いけど味はダントツで不味いと思っていたのですが、そこまでではありませんでした。
点数をつけるなら100点満点で見た目は55点、味はメイン60点副菜55点。
値段の割にはまあまあ美味しいと言えます。
同梱されていた小冊子を見ると、メニューの選定や調理の仕方にはそれなりにこだわってるみたいです。
あと、コンビニを含め一般的な弁当は魚系の料理が少ないけど、『ワタミの宅食ダイレクト』は"魚系の料理"が多いし味もまずまず美味しかったので、魚が好きな人にはおすすめですね。
製造元は「ワタミ手づくり厨房尼崎センター」と「トオカツフーズ株式会社」
少し気になったのは見た目や味に結構ばらつきがあることです。
なぜだろうと自分なりに考えてみたのですが、商品についているラベルを見た時に合点がいきました。
「ワタミ手づくり厨房尼崎センター」と「トオカツフーズ株式会社」。
どうやら『ワタミの宅食ダイレクト』は料理によって製造元が違うようです。
トオカツフーズ株式会社は神奈川県横浜市港北区にある食品メーカーで日清製粉グループ本社の子会社。経営ビジョンは、「お客様の健康と幸せを食でサポートする」。
主にコンビニエンスストア向けの調理済食品や冷凍麺類などを製造・販売している。
ワタミ手づくりセンターは見た目△味濃いめ、トオカツは見た目〇、味薄め
たくさんの料理を食べたわけではないので各製造元の料理の傾向は完全には掴めていませんが、「ワタミ手づくり厨房尼崎センター」の方は見た目はやや貧相で味付けは濃いめ、「トオカツフーズ株式会社」の方は見た目は立派で味付けは薄めといった感じです。
個人的には、見た目はしょぼいけど味は「ワタミ手づくり厨房尼崎センター」の方が若干美味しく感じました。濃いめの味付けでごまかしているだけのような気もするけど…
「トオカツフーズ株式会社」の方は多分「ワタミ手づくり厨房尼崎センター」よりも良い食材を使ってると思うけど、味付けがちょっと薄すぎて…
まあ、薄味が好きな人や年配の方は「トオカツフーズ株式会社」の方を気に入るかもしれません。
外国産原料と添加物は多め?
その他、気になったのは食材の原産国と添加物です。
中国産含め外国産原料の使用あり
コストカットのためにはどうしても外国産の原料を使わざるを得ません。
『ワタミの宅食ダイレクト』も例外ではなく中国産を始め外国産の原料をたくさん使っています。
ソルビン酸などの添加物も入っている
あとは添加物も結構多め。
もちろん使われている添加物は全て食品安全委員会によって安全性と有効性が評価され厚生労働省に認められたものではあるのですが、やっぱり気になる人もいると思います。ソルビン酸Kとかは私もちょっと嫌ですね…。
ちなみにサンプルが少ないのでなんともいえませんが、「トオカツフーズ株式会社」製造の料理の方が添加物は若干少なめでした。質の良い食材を薄味でできるだけ手を加えずにという方針なのかもしれませんね。
まとめ:値段重視の方におすすめ
以上が、人気の宅食サービス『ワタミの宅食ダイレクト』の概要や実際に食べてみた感想・評価です。
『ワタミの宅食ダイレクト』の特徴は、他の宅食サービスと比べて比較的安い値段で管理栄養士が設計したバランスの取れた料理を好みの種類やコース、食数、間隔を選ぶことができることです。
値段はそれぞれのメニューの値段プラス送料(本州・四国・九州800円、北海道1100円、沖縄2200円)で、初めての注文の際は一度だけお得な値段で購入できる「お試し割10食セット」と初回から3回分の送料が無料になる「はじめて割」が利用できます。
容器のサイズは小さめの「いつでも三菜」でも縦約17.6cm×横約13.6cm×高さ約2.6cm。到着前に冷凍庫のスペースを空けておく必要があります。
肝心の料理の感想はお値段通りという感じでしたが、魚系の料理はコンビニ弁当ではなかなか食べられないのでうれしかったです。
味付けや見た目は製造元によってばらつきがありました。外国産食材や添加物もやや多めですね。
全体的な評価としては、料理の量や質、見た目、味にこだわる人にはあまりおすすめできませんが、値段を重視する人にはおすすめの宅食サービスだと思いました。
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参考にさせていただいた記事・サイト