サツマイモには健康維持に役立つ栄養素・成分が豊富に含まれています。
- 体の組織をつくるコラーゲン生成に欠かせない「ビタミンC」
- 免疫機能を正常に保つ働きがある「ビタミンC」
- 脂質やタンパク質の代謝に欠かせない「ビタミンB6」
- 健康に深く関与する食物成分である「食物繊維」
その有用性は野菜と穀類の栄養を合わせ持つ"準完全食"としてNASAが注目するほどです。
私は最近便秘対策のために「干し芋」を毎日食べているのですが、サツマイモの健康効果を凄く実感しています。
今回はサツマイモの健康効果についていろいろとまとめてみました。
サツマイモに含まれる食物繊維の健康効果
上述の通り、サツマイモには健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
特に「食物繊維」は、以下のような多くの生理機能が明らかになっています。
- 便秘の予防をはじめとする整腸効果
- 血糖値上昇の抑制
- 血液中のコレステロール濃度の低下
これらの効果から、厚生労働省も食物繊維の積極的な摂取を推奨しています。
食物繊維とは?
食物繊維とは、人の消化酵素によって消化されにくい食物に含まれている難消化性成分の総称です。
タンパク質や脂質、糖質などは、消化管の中で消化酵素によって分解されます。一方、食物繊維は消化酵素の作用を受けずに小腸を通過し、大腸まで届けられるのが大きな特徴です。
特定保健用食品で"おなかの調子を整える食品"として認められている成分の多くが、食物繊維だと言われています。
食物繊維は水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」に分けられます。
- 水溶性食物繊維:ペクチン、アルギン酸、グルコマンナンなど
- 不溶性食物繊維:セルロース、リグニン、キチンなど
日本人の平均食物繊維摂取量は減少傾向
食物繊維は健康に深く関与する食品成分であるため、厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」にも1日あたりの目標量が明確に記載されています。具体的には、男性は21g以上、女性は18g以上の摂取が推奨されています。
しかしながら、日本人の平均食物繊維摂取量は減少傾向にあります。
最近の報告によると、現代人の平均摂取量は1日あたり14g前後とのことです。これは、1950年頃の1日20gを超えていた摂取量と比べると大幅に減少していることがわかります。
欧米の研究では、1日あたり24g以上の食物繊維を摂取することで、心筋梗塞や脳卒中、2型糖尿病、乳がん、胃がん、大腸がんなどの発症リスクが低下することが観察されています。
このような報告を考慮すると、私たちは食物繊維が豊富に含まれる食材、例えばサツマイモなどを積極的に食べて、しっかりと食物繊維を摂取することが大切だと言えるでしょう。
サツマイモの食べ方とレジスタントスターチの働き
サツマイモは「干し芋」にすると食物繊維量アップ
サツマイモに含まれる食物繊維の量は、加工状態によって大きく異なることをご存知でしょうか。
日本食品標準成分表2020年版によると、サツマイモ100gあたりの食物繊維量は以下のようになっています。
- サツマイモ/塊根/皮つき/生:食物繊維総量2.8g(水溶性:0.9g、不溶性:1.8g)
- サツマイモ/塊根/皮つき/蒸し:食物繊維総量3.8g(水溶性:1g、不溶性:2.8g)
- サツマイモ/塊根/皮なし/生:食物繊維総量2.2g(水溶性:0.6g、不溶性:1.6g)
- サツマイモ/塊根/皮なし/蒸し:食物繊維総量2.3g(水溶性:0.6g、不溶性:1.7g)
- サツマイモ/塊根/皮なし/焼き:食物繊維総量3.5g(水溶性:1.1g、不溶性:2.4g)
- サツマイモ/蒸し切干:食物繊維総量5.9g(水溶性:2.4g、不溶性:3.5g)
サツマイモを蒸し干ししたものの食物繊維量が圧倒的に多いですね。
さらに、蒸し干しされたサツマイモは水溶性と不溶性の食物繊維をバランス良く含んでいることも大きな魅力です。
ちなみに食物繊維の摂取量の割合は「水溶性1:不溶性2」が理想的だそうです。
サツマイモは血糖値を上げにくい低GI食品
サツマイモはGI値が55と低めで血糖値を上げにくい食品とされています(低GI食品)。
「GI値(グリセミック・インデックス)」は食品ごとの血糖値の上昇度合いを示した指標。
シドニー大学ではブドウ糖(グルコース)を100として、GI値55以下の食品を低GI食品、56~69を中GI食品70以上を高GI食品と定義している。
しかし、これは一般的な品種を基準にしたものなので、紅はるかや安納芋のような糖度が高い特別な品種の場合は、GI値がさらに高くなると考えられます。
干し芋は、蒸し干しの過程で食物繊維の総量が増加するため、焼き芋などの他の調理法で食べるよりは血糖値の上昇を抑えてくれると思われます。ただし、糖度が低い品種を使った干し芋と比べると、血糖値の上昇を完全に避けることは難しいでしょう。
冷蔵・冷凍保存でレジスタントスターチを増やす
そこで注目したいのが「レジスタントスターチ(RS)」という成分です。
サツマイモは調理後に冷やすことで、でんぷんの一部が消化酵素に抵抗性を示すレジスタントスターチに変化します。
このレジスタントスターチは、食物繊維と同等以上の働きをすると言われています。
つまり、サツマイモを冷蔵・冷凍保存することは、保存性を高めるだけでなく、健康増進にも効果的だと言えるでしょう。
でんぷんでありながらエネルギーになりにくく、整腸作用や生活習慣病の予防効果があるとされている食品中の成分。難消化性でんぷんまたは耐性でんぷんとも呼ばれる。
「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の両方の長所を兼ね備え、さらに直腸まで善玉菌を運んで有用物質(短鎖脂肪酸)を作らせる「発酵性食物繊維」としての役割も果たす。
レジスタントスターチは再加熱すると元のでんぷんに戻ってしまい、その効果が失われるという話をよく耳にします。
しかし、日本調理科学会の発表によると、"再加熱してもレジスタントスターチは維持されていた"とのことです。したがって、サツマイモを解凍して加熱してから食べても、レジスタントスターチの効果は期待できそうです。
紅はるかなどの糖度が高い品種のサツマイモでも、干し芋にすることで食物繊維を増やし、さらに冷やしてレジスタントスターチを増やしてから食べれば、ある程度は血糖値の上昇を抑えられると考えられます。
ただし、サツマイモは炭水化物の一種であるため、摂取量が多くなるとカロリーも高くなります。1日のサツマイモの摂取量は、100g~200g程度が適切な目安だと言えるでしょう。
まとめ
以上、サツマイモに含まれる食物繊維がもたらす健康効果と、おすすめの食べ方についてご紹介しました。
サツマイモは、ビタミンCやビタミンB6などの栄養素や食物繊維など、健康に有益な成分を豊富に含む食材です。
特に食物繊維については、便秘対策や血糖値上昇抑制に効果的であるにもかかわらず、多くの人で摂取量が不足している傾向にあります。そのため、積極的に食物繊維を摂取することが大切だと言えるでしょう。
サツマイモに含まれる食物繊維の量は、加工方法によって変化します。
中でも干し芋は、食物繊維の総量が増加し、水溶性と不溶性の食物繊維をバランス良く含んだ状態になるため、特におすすめの食べ方です。
日頃から便秘がちだったり血糖値が気になる方で、食物繊維の摂取量が不足しているかもしれないと感じている場合は、ぜひサツマイモの干し芋を試してみてください。
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