2019年末に中国武漢市で新型コロナの感染者が発生してからもう2年以上経ちました。月日が流れるのは早いものですね。
ここ数か月は新型コロナを上手に抑えていた日本ですが、海外でオミクロン株が猛威を奮っているので直に日本でも流行が始まると思います。
となると、またまたデスクワークが多くなりそうです。
新型コロナの流行でデスクワークが増えてから、肩こりや眼精疲労、腰痛など、たくさんの健康問題が発生しました。
いぼ痔を市販薬と生活習慣の改善で治す
小指の先ほどのクソデカいぼ痔発生
お灸や漢方薬などの健康アイテムを使いながらなんとか過ごしてきた私ですが、先日ついに【いぼ痔】になってしまいました…。
いぼ痔(内痔核)は、排便時の負荷などにより、歯状線より上の粘膜下の静脈叢がうっ血してできた、いぼ状のはれを指します。このあたりの組織には知覚神経(痛みを感じる神経)が通っていないことから、痛みを感じることは少なく、出血によって初めて痔に気づく場合も多いようです。排便時に便器が真っ赤になるほど大量の血が出ることもあります。症状が進むと排便時にいぼが肛門の外に出てきたり、炎症などによる痛みを感じたりすることがあります。
最初はちょっと違和感を感じるくらいだったのですが、その違和感がだんだんと大きくなっていき、ついには排便時に痛みを感じるように。
おそるおそるお風呂で探すしてみると、なんと小指の先くらいはあるクソデカいぼ痔ができていました。怖すぎ…。
場所は内側からやや外側にかけて。まさに小指の先のような長細い形です。
いぼ痔の原因は血行不良とストレスによる免疫力の低下?
いぼ痔ができたことについて思い当たる節はいろいろありました。
デスクワークが増えに増えて1日10時間以上も座って作業していたことやここ2か月くらいの間ずっと便秘がちだったこと、そして原因が分からない体の不調が続いていたことなど。
原因不明の体調不良はいろいろ検査してもらった結果、花粉症と機能性ディスペプシアという診断をもらい、アコファイドという薬を飲み始めたことで改善してきましたが、当初は何日も熱が続いてリンパが腫れたり、胃痙攣や強い背中の痛みなど間違いなくヤバイ病気だと思っていました。
血行不良と謎の病気のストレスで自律神経が乱れて免疫力が弱まったところに便秘で粘膜に傷がついて炎症を起こしたのではと予想しています。
軽度ならセルフケアも可能だが3度からは病院での治療が必要
いぼ痔を発見してからしばらくは自然に治ってくれないかなあと放置していたのですが、一向に良くなる気配はなく逆に悪化していく始末…。
ネットで調べると指で押し込む必要があるくらいの状態(3度)からは医療機関での治療が必要と書いてあったし、いぼ痔手術経験者の人に聞いてみてもさっさと切ったほうが良いと言われました。
内痔核ならばステージ3度、つまり排便時に出てきた痔核が自然に元に戻らなくなったなら、外痔核ならばセルフケアをしているのになかなか治らなかったり、痔核によりおしりに不快感が生じたりしたら病院で診察を受ける目安となります。
今まで手術なんてしたことないし、お医者さんや看護師さんにお尻を見られるのが本当に恥ずかしかったので嫌でしたが、放っておいても改善することはないというのが分かり覚悟を決めました。
有名な痔の治療薬「ボラギノール」
ですが、病院に行く前に一回だけ自分で治療してみたいという気持ちが芽生え、いろいろと調べた結果購入したのが天藤製薬が製造しアリナミン製薬(旧:武田コンシューマーヘルスケア)が販売している【ボラギノールA】という市販薬。
有名な「痔に~は、ボラギノール♪」のボラギノールです。
「ボラギノール」は京都大学病院の院内製剤として開発が開始され、1921年に痔疾用新薬第一号として創製。このとき開発に携わったのが京都大学病院で薬剤師をしていた天藤製薬の創立者である大槻欽三氏。
その後、医療用医薬品と一般用医薬品(OTC)に制度として分離された。天藤製薬は医療用医薬品として「ボラザG坐剤」「ボラザG軟膏」「ヘモクロン」を製造販売し、一般用医薬品として「ボラギノール」を製造している。
「ボラギノール」の名前の由来は当時の製品の有効成分「紫根エキス」から。その植物の科名「ムラサキ科」はラテン語で”Boraginaceae”という。
それにしても、今は昔と違って薬もインターネットで購入できるのは本当にありがたい。対面でボラギノールなんて買おうものなら店員さんに「こいつ痔だな」て確実にバレますからね(笑)
ボラギノールの種類と効果
さて、ボラギノールにも軟膏や坐剤(坐薬)、内服などいろいろな種類があり、さらに軟膏と坐剤はステロイドを配合しているもの(ボラギノールA)としていないもの(ボラギノールM)が販売されています。
ボラギノールの軟膏や坐剤はプレドニゾロン酢酸エステル(Mは非ステロイドのグリチルレチン酸)で炎症を抑え、局所麻酔成分リドカインで痛みやかゆみを静め、アラントインで組織を修復し、ビタミンE酢酸エステルでうっ血を改善することで痔に対してアプローチするという仕組みです。
公式サイトを見ると、
ステロイドが配合されているAの効能は、いぼ痔・きれ痔(さけ痔)の痛み・出血・はれ・かゆみの緩和。
一方ステロイド非配合のMの効能は、いぼ痔・きれ痔(さけ痔)の痛み・かゆみの緩和、
となっているので、AとMの効能の違いは出血とはれの部分のようですね。
第一三共のサイトを見ると、ボラギノールAに配合されているプレドニゾロン酢酸エステルはステロイドの中ではかなり弱い部類(5段階の1)に入る成分みたいですが、気になる人はボラギノールMのほうを選べばいいのではないかと思います。
➡ステロイド外用薬の薬効の強さは、どのように分類されているの?|第一三共ヘルスケア
私の場合は周辺がただれたり膿んでいる感じではないし、長期で使うつもりでもなかったのでステロイドが入ったボラギノールAのほうを選びました。
飲んで痔を治す内服タイプ(内服ボラギノールEP)は、有効成分であるボタンピとセイヨウトチノキの種子、シコンの3種の生薬エキスとビタミンE酢酸エステルが痔による痛みや出血、腫れ、かゆみなどの症状を改善するとのことです。
購入したのは「ボラギノールA注入軟膏」
現在、ボラギノールAは軟膏、注入軟膏、坐剤の3種類が販売されています。
軟膏は主に肛門の外側・肛門付近の痔、注入軟膏は肛門の内と外の痔、坐剤は肛門内側の痔にそれぞれ適しているようです。
その中で私が選んだのは「注入軟膏タイプ」。
まず坐剤は子供の頃から苦手だったし、痔が少し外側にも出てきていたのでパス。
軟膏と注入軟膏で悩みましたが、結構奥のほうにもいぼ痔が発生していたのでより深くまで届きそうな注入軟膏にしました。
容器の形状はこんな感じ。
これをお尻に突き刺し中の薬を注入、もしくは手に取って塗布します。
肛門内に挿入して使う場合は、一本をまるまる注入して使い切る必要があります。当たり前ではありますが汚いので何度も使えませんからね。
これで少しでも良くなってくれぃ!と祈るような気持ちで注入。
注入時の不快感を少しでも和らげるようなやさしいつくりになっているので思っていたより苦痛はありませんでしたが、とにかく薬の量が多い!多すぎる!
一本(2グラム)まるまる注入するとお尻の中がパンパンになる感じで違和感が凄いです。
それでも改善を信じて1日2回、朝はトイレを済ませた後、夜はお風呂から出た後に注入。
使用間隔は特に定められていないとのことですが、朝の排便後と夜の入浴後あるいは就寝前はおすすめのタイミングだそうです(1日3回の場合はお昼に1回追加)。
5日間使ってみたものの効果はなし
それでは肝心の効果ですが…
今回購入したのは2g×10個の分だったので5日間使ってみたものの、いぼ痔に大きな変化は見られず。
プラスに感じたのは薬を注入することで肛門部分にワセリンを塗った感じになり、使用前より排便時の痛みが緩和されたことくらいでしょうか。
ボラギノールには内心結構期待していたので変化がなかった時の絶望感は半端なかったです。
便秘や痔に有効な漢方薬「乙字湯」
この時点で諦めて病院に行くのが筋ではあるのですが、私にはもうひとつ試してみたい薬がありました。
それは【乙字湯】という市販の漢方薬。
漢方では、痔は滞ってしまった「血(けつ)」、すなわち「瘀血(おけつ)」が肛門にある状態と考えます。「瘀血」ができる原因はさまざまですが、冷えや便秘などが原因となります。
「乙字湯(おつじとう)」は、漢方理論をもとに、江戸時代の日本人医師が作った処方です。「血(けつ)」の流れを良くしてうっ血をとることで腫れを抑え、傷の治りも早めます。また、便の通りを良くして、排便時の痛みや圧迫をやわらげるとともに、筋肉の緊張を高めて、中の痔が出てこないようにします。
乙字湯の成分は当帰、柴胡、黄芩、甘草、升麻、大黄。
今回私は大手漢方薬品メーカー・ツムラさんの乙字湯を購入。値段はネット購入で12包(6日分)700円くらいでした。
東京都に本社をおく1893年創業の漢方薬品メーカー。コーポレート・スローガンは「自然と健康を科学する」。
数多くの医療用漢方薬を製造・販売しており、2021年3月末時点の医療用漢方薬市場におけるツムラのシェアは83.4%。
効能・効果は"体力中程度以上で、大便がかたく、便秘傾向のあるものの次の諸症:痔核(いぼ痔)、きれ痔、便秘、軽度の脱肛"とパッケージに記載されています。
便秘の人や軽めの痔に効果がある漢方薬といった感じですね。
ちなみに「体力中程度」とは、第一三共さんのサイトを見ると、通常の生活をするのに差し障りがないくらいの体力を表すそうです。
乙字湯はいろいろなメーカーから発売されている
乙字湯は私が購入したツムラ以外にもクラシエや三和など、いろいろな漢方薬品メーカーから発売されています。
ネットで検索していると、各社の乙字湯をランク付けしたサイトがいくつも出てきて、その多くがあまり聞いたことがないひとつのメーカーの商品を激しく推していました。
商品名は出しませんがちょっと気持ち悪いなと思ったので調べてみると、高額の成果報酬を支払い自社の商品を紹介させている様子。
元々からの製薬・薬品メーカーではないところや以前から存在している薬の配合や量を少しだけ変えて名前をつけ高い広告費をかけて高額な値段で売るやり方が、ひざ・腰・肩の痛みの緩和を謳うどこかの薬とそっくりだなと思いました。とにかく胡散臭い!
私はツムラやクラシエのような必要な量を適正な価格で販売している有名漢方薬品メーカーの乙字湯を購入することをおすすめします。
乙字湯に配合されている成分の効果
次に乙字湯に配合されている成分の効果についてですが、いつも参考にさせていただいている漢方薬の説明サイトを見ると以下の通りです。
- 便秘改善…大黄、甘草
- 炎症を抑える…柴胡、黄芩、甘草
- 血行や血流を改善…当帰
- 内臓のゆるみ、下垂(痔や脱肛)を引き上げる…柴胡、升麻
➡【乙字湯】~構成生薬の特徴、効能効果、使用方法、注意点の解説~|漢方薬を始めよう
なるほど、これは効きそう。
ボラギノールと乙字湯の併用でいぼ痔に挑む
ということで、ボラギノールを買い足し、この乙字湯と併用してみることにしました。
ただ、ボラギノールの公式サイトには以下のように書かれていたので「併用」は完全に自己責任です。
このQ&Aは「ボラギノール製品+ボラギノール製品」の話のようだけど医薬品なので「ボラギノール製品+他社製品」も同じだと思います。
Q11.ボラギノールで異なる製品どうしの併用(坐剤と軟膏、坐剤または軟膏と内服など)は可能ですか。
併用はお勧めしておりません。
どちらか一方のみをご使用いただくようお願いいたします。
さあ、これが最後の勝負!
朝食を食べる前に乙字湯、排便後にボラギノール、夕食の前に乙字湯、入浴後にボラギノールという感じでそれぞれ1日2回。
それに加えて、血行改善のために入浴の時間を長くしデスクワーク時には必ず弾性ストッキングを履くようにして、便秘対策のために干し芋やもち麦、イヌリンなど食物繊維を多めに摂るようにしました。
➡(当ブログの記事)座りすぎは危険!弾性着圧ストッキングの効果とおすすめ商品
➡(当ブログの記事)芋國屋の手頃な国産紅はるか干し芋をレビュー|贈答用と訳ありを比較
痔を治すには生活習慣を改善するのが非常に効果的だそうです。
経済的な事情でボラギノールの使い方を塗布に変更
あと、ボラギノールの使い方を自分流に変えました。
なぜかというとボラギノールってまあまあ高い…。安い店で買っても2g×10本で1500円くらいします。
1日2~3回、それぞれ1本まるごと使い切るので大体3~5日でなくなる計算。
このペースで改善の目安である10日間継続しようと思うと、3000~4500円くらいかかってしまいます。
なのでビニールの使い捨て手袋を買って、毎回適量を手に取り塗り込んでいくことにしました(奥のほうまでしっかり攻めました)。
上述の通り一度注入したものを何度も使うのは絶対NGですよ。容器の先端は清潔にしておきましょう。
こうすることで大体2日で1本を使うペースに。
1本まるまる注入するより効果が薄いのは間違いありませんが、継続して使うことや財布とのバランスを考えてこうしました。お金に余裕がある人は毎回1本使い切ることをおすすめします。
5日後に感じた改善の気配
お尻に変化を感じたのは5日後の朝。
今まで常に感じていた小さな違和感がほとんどなくなり、排便時もスルッとスムーズな感じで痛みもなし。
これはと思い、夜の入浴時にチェックしてみると…
めっちゃ縮んでる!
写真はありませんが、一番酷い時の大体半分くらいまで小さくなっていました。
それからは毎日少しずつ小さくなっていく感じで、10日後くらいには内側に細めのコリコリが少し残るくらいまで縮みました。
あのクソデカいぼ痔がよもやここまで小さくなるとは。
ボラギノール、乙字湯、生活習慣の改善…、どれかひとつではなく、それぞれが少しずついぼ痔を治してくれたのかなと思います。
歓喜。大歓喜!
まとめ
その後、数週間経過し、現在私を苦しめたいぼ痔は触っても分からないくらいまで小さくなりました。
生活習慣が悪化すればまた再発する可能性はあるらしいですが、とりあえずは「治った」と判断してもいいかと。
今回私はボラギノールAと乙字湯を併用し、生活習慣の改善とセットで自力でいぼ痔を治すことができました。
ただ、このやり方はあまりおすすめできることではありません。
もちろん一番良いのはきちんと病院に行くことです。今は「病院に行く=手術」というわけではなく内服や生活習慣改善の指導で治せるケースも多いみたいだし、手術に関してもケースによっては「ジオン注射(ALTA療法)」など切らずに治す選択肢もあるようです。
けれど、私のような極度の恥ずかしがり屋&ビビりの人や、なかなか病院に行く時間がない人は最後の機会として試してみる価値があるかもしれません。
数年前に私を含めほとんどの人が利用しているであろう検索エンジン最大手のGoogleが「健康アップデート」というアルゴリズム更新を行ったことで、医療や健康に関連する情報を私のような一般人がブログなどで発信しても検索順位の上位に表示されることはなくなりました。
今は医療系のキーワードで検索しても上位に出てくるのは公的機関や病院、医師監修の記事ばかり。
まあこれに関しては出鱈目な記事を書き詐欺的な医療サービスや商品を販売する人間がたくさんいたので仕方がないことではありますが、個人的にはお堅い機関のサイトや記事は難解なものが多く読みにくいのでそれを易しく噛み砕いてくれる個人サイトはありがたい存在でした。
今回の私の記事もいぼ痔という病気について書いたものなのでおそらく誰の目にも触れないと思いますが、もし奇跡的に辿り着いた人は参考にしてくれればと思います。
誰の目にも触れないであろう記事をなぜ書いたのか?と聞かれそうなものですが、その理由は単純にいぼ痔が治って私がうれしかったから。
いぼ痔が治ってテンションが上がったので書いてみました(笑)
#いぼ痔 #ボラギノール