新型コロナウイルスのパンデミックから4年が経過した2024年現在、ウイルス対策としてのマスク着用はすっかり日常に定着。WHOもマスクの感染予防効果を認め、着用を推奨しています。
そんなマスク業界で絶大な人気を誇る製品の一つが、『PITTA MASK(ピッタマスク)』。
洗って何度も使える経済性や、おしゃれなデザインが支持されています。
この記事では、ピッタマスクの特徴や使用感を詳しくレビューしていきます。
ピッタマスクとは?
「ピッタマスク」は、愛知県名古屋市の老舗医薬品メーカー「株式会社アラクス」が製造・販売しているポリウレタン製のマスクです。
元々は花粉症対策用として開発されましたが、新型コロナ対策としても高い人気を得ています。
アラクスは1853年創業の老舗医薬品製造メーカーで、代表的な製品は「頭痛にノーシン♪」で有名な解熱鎮痛薬の「ノーシン」でしょうか。
中日ドラゴンズのオフィシャル・パートナーも務め、その縁もあってドラゴンズオリジナルのピッタマスクも販売していました。
ピッタマスクの特徴
安心の日本製
コロナ流行当初、質の悪い中国製マスクを我慢して使っていた人も多かったと思います。しかし現在では、日本国内の工場で高品質なマスクを製造する企業が増えてきました。
最近は、値段が多少高くても安心・安全な日本製マスクを選ぶ人が主流になりつつあります。
ピッタマスクもそうした日本製マスクの一つです。メーカー公式サイトでは製造工場について明記されていませんが、調べによるとアラクス社と同じく名古屋市にある「株式会社白鳩」の工場で生産されているようです。
この工場では、ピッタマスク以外にもPM2.5などの微粒子対策用マスク「BLOCK2.5」、外側に銀抗菌加工不織布を使った3層立体マスク、最高級コットンガーゼを使ったマスクなども製造しているそうです。
リーズナブルな価格&洗って繰り返し使える
ピッタマスクは3枚入りの値段は500円程度と安価。洗って3回は使えるので、コスパに優れています。
ポリウレタン素材でありながら、特殊技術で花粉99%カットを実現しているのも特徴です。
高いデザイン性とカラーバリエーション
シンプルで機能的なデザインが2019年グッドデザイン賞を受賞。
マスクを「楽しむファッションアイテム」と捉えた、豊富なカラーバリエーションも人気です。
<審査委員の評価>
素材の特性を十分に活かし、つけ心地や機能を追求、さらに繰り返し洗っても使えるという本製品は、2014年にはグッドデザイン賞のベスト100に選出されている。そこにカラーバリエーションを加え、選ぶ楽しみを広げて、マスク着用への心理的バリアを更に軽減した。花粉症や風邪対策など、マスクはもはや日本の日常風景になり、「仕方なくする」ものではなく「好きなものを選ぶ」ものへとシフトしている。使う人の心も体も軽やかにするこのような製品が、市場をますます活気づかせることを期待したい。
ピッタマスクを実際に使ってみた感想
それではレギュラーサイズ3枚入り(カラーはグレー)の「ピッタマスク」を実際に使ってみた感想を書いてみたいと思います。1枚ずつ個別包装されていたところは好感が持てましたね。
独特の素材臭に注意
開封時に独特の素材臭があります。
これはポリウレタン素材のにおいらしいのですが、化学物質チックなにおいなので耐え難い人もいるかもしれないと感じました(アミンという原料によるものらしい)。
「においが気になるようであれば、内袋から取り出した後に数回軽く振っていただいたり、お気に入りの洗剤などで手洗いしてからご使用ください」との事なので、気になる人は着用前に試してみるとよいかと思います。
日本ウレタン工業協会によると安全性については問題なさそうです。日陰で1~2日程風に曝すとにおいが軽減されるというアドバイスも記載されていました。
フィット感が高く軽い着け心地
次は素材感ですが、私がイメージしていた感じとは若干違いました。
良くも悪くもポリウレタンという感じ。値段相応といえばそれまでですが、薄いスポンジのような質感です。
今回はグレーを選んだので特に気になりませんが、ホワイトは経時で黄ばんでくるというレビューも見受けられます。
ポリウレタン特有の現象で効果などには影響はないようですが、見た目が気になる人は濃いめのカラーを選んだほうがいいと思います。
フィット感は、不織布マスクのようなチクチク感はなく、柔らかいので長時間着用しても耳が痛くなりにくいです。ただ素材が薄いため、多少丁寧に扱う必要があります。
ただし、強度的にはやっぱり弱いです。少し力を入れればちぎれてしまいそうだし、何回か使っているとマスクの一部が欠けてしまいました。
それと、埃や動物の毛がつきやすいので、ペットを飼っている人は使う前にコロコロで掃除しておくことをおすすめします。
ピッタマスクのサイズ感:横幅がやや小さめ
ピッタマスクのレギュラーサイズと一般的な不織布マスクのレギュラーサイズの大きさを比較するとこんな感じ。
ピッタマスクは真ん中部分が口に合わせて膨らんでいるので同条件ではないものの、マスクのサイド部分(男性なら頬骨の下あたり)が四角形ではなく丸く切り取られた形になっているのでやや小さく見えます。
女性なら耳もとまでカバーできるけれど、男性で普通の顔の大きさなら横と下部分がやや小さく感じるかもしれませんね。ドラゴンズの与田監督らが着用しているのを見ると少し小さく見えます。
【PITTA MASK® DRAGONS BLUEに関するお知らせ】
➡︎https://t.co/WgnylP5aUn pic.twitter.com/ctBUzuoVGV
— ドラゴンズグッズ公式 (@dragonsgoods) June 26, 2020
ピッタマスクの洗い方
公式サイトのQ&Aには「使用後には毎日洗ってください」と記載されています。私は毎日どころか着けて外す度に洗うようにしています。
公式推奨の洗い方は、酸性やアルカリ性ではなく中性の洗剤を使って手洗いし、その後よくすすいでから陰干しすること。
メーカー推奨には逆らいますが、私は残留性が高く人体に危険な合成界面活性剤入りの洗剤で口に着けるマスクを洗いたくないので、人体にも環境にも優しい純石けん分を主成分とした洗剤を使用しています。
※合成界面活性剤の多くはPRTR法で人の健康を損なうおそれ(発がん性、変異原性、感作性など)又は動植物の生息もしくは生育に支障を及ぼすおそれ(生態毒性)があるものとして指定化学物質に規定されている。
純石けん分(脂肪酸カリウムや脂肪酸ナトリウム)は新型コロナウイルスに対する有効性も確認されているので、1%程度の薄め液でマスクを洗えば十分不活化できます。※脂肪酸カリウムは0.24%以上、脂肪酸ナトリウムは0.22%以上。
シャボン玉石けんのスノール液体タイプやミヨシ石鹸のお肌のための洗濯用液体せっけんの純石けん分は約30%なので濃度調整もしやすいです(約30倍希釈で1%の薄め液)。
毎回洗うのが面倒という人には同じく新型コロナに対する有効性が認められた次亜塩素酸水がおすすめ。消臭力も非常に高いです。
マスクをたっぷり水で濡らした後にやや濃いめ(200ppm程度)の次亜塩素酸水をたっぷりかけてしばらく揉んだ後にしっかりすすげばOKです。※アルコールは素材を傷めてしまうし水に濡れたものに対する効果はない。
次亜塩素酸水はアルコール業界の力で偏った報道をされ、効果がないとか使いにくいイメージを植え付けられていますが、北海道大学の試験では少ない供試水で瞬時に新型コロナウイルスを検出不可能まで不活化したデータも確認されている非常に優秀な除菌剤です。
試験上は全く問題ありませんが、それでも安全性が気になる人はすすぎをしっかりするとよいでしょう。
まとめ
以上が、ピッタマスクの特徴や実際に使ってみた感想です。
細かい不満点はあるものの、値段を考慮すれば全て許せるラインですし、コストパフォーマンスは非常に高い商品だと思います。
普通にマスクとして使ってもいいですが、私は最近不織布マスクの下に着けています。
非常に通気性が良いので二枚着けしても息苦しさはあまり感じませんし(気温が高いところではやや蒸れが気になるのでおすすめできない)、不織布マスクのデメリットである複数回使用での毛羽立ちによる痒みも防ぐことができます。
ピッタマスクは洗うのが楽なのでフィルター性能の高い不織布マスクを汚さないように温存するという使い方にももってこいだと思います。
参考にさせていただいた記事・サイト