私の家はオール電化で火を使った料理ができないのと最近の地震のニュースを見て災害時の備えも考えたいと思い、岩谷産業のカセットガスコンロ(携帯型のガスコンロ)『カセットフー タフまるJr.(以下タフまるジュニア)』を購入しました。
ちなみに「カセットフー」とはフランス語で"炎の小箱"という意味でイワタニカセットこんろの総称名だそうです。
アウトドアグッズのイメージが強いこの商品ですが、実は室内での調理や防災用としても優れた特徴があるんです。
今回はタフまるジュニアの概要や実際に使ってみた感想をお伝えしたいと思います。
タフまるジュニアを選んだ理由
まず、さすがイワタニさんの製品だけあって作りが非常にしっかりしています。
手に持った時の安心感はもちろん、付属の収納ケースも堅牢で持ち運びやすさは抜群。
製品の重量も約1.6kg(製品+収納ケースだと約2.5kg)とそこまで重くはありません。
災害時の持ち出しも考えるとタフさや重量は特に重要でした。
あとはパワー(火力)や機能面でも妥協のない作りになっています。
次に大きさ。
製品サイズは幅286mm×奥行192.5mm×高さ122mmと、従来モデル(タフまる)と比べて大きさは約60%にまで小型化されています。
A4用紙よりも一回り小さいくらいのコンパクトさなので収納には全く困りません。キッチンの引き出しにすっぽり入ってスッと取り出せる手軽さが気に入っています。
そして何より見た目がかっこかわいすぎる!
写真で見るよりも実物の方が魅力的です。防災グッズでありながら日常の調理器具としても使いたいので、このデザイン性は大きなポイントでした。
特にオリーブカラーはレトロ感満載で激推しです。
製品の基本スペック
使う前に具体的なスペックを確認しておくと安心ですね。
- 本体サイズ:幅286mm×奥行192.5mm×高さ122mm
- 収納ケース:幅320mm×奥行252mm×高さ135mm
- カラーバリエーション:ブラック、レッド、オリーブ
- 本体重量:約1.6kg
- 火力:2.3kW (2000kcal/h)
- 耐荷重:10kg
- 対応鍋サイズ:上面の内径が20cm以下(鍋底11cm以上)
- 生産国:日本
- 公式サイト販売価格:税込11000円 ※2024年12月時点
実力は十分!気になる火力と安定性
火力は従来品(タフまる)の3.3kWから2.3kWへと抑えられていますが、実際に使ってみると十分なパワーがあります。
注目なのが「ダブル風防ユニット」という仕組み。
これは特許も取得している技術で、外側と内側の2段階の風防で炎を守りながら必要な空気は内側風防の下から取り込む設計になっているんです。
さらに多孔式バーナーを採用していて風の影響で炎が消えにくいのが特徴。
これは屋外使用だけでなく家での調理でもトロ火・弱火時に火が消えにくく、とても使いやすいと感じました。
少し気になる滑りとぐらつきはミニ五徳で解決!
やや不安な点は調理器具をトップパネルに乗せた時の安定感です。
調理器具が少し滑りやすく若干のぐらつきを感じるんですよね…。それと対応する鍋のサイズが限られる(鍋底11cm以上)点も少し気になりました。
ただし、これらの課題には解決策があります。
パール金属のHB-5001というミニ五徳(1000円以下で買える)がタフまるジュニアにぴったりフィットするので、滑り止め効果による安定性と小さめの調理器具への対応を同時に担保できます。
安定感を求める方はこちらの併用がおすすめです。
カセットボンベについて
使用するカセットボンベについて
本体には「この製品には必ずイワタニのカセットガスをご使用ください」と明記されています。
インターネット上では他社製品でも問題ないという情報やイワタニ純正品は価格が高いため他社製品がおすすめという記事も見かけます。
しかし、一般社団法人日本ガス石油機器工業会は「必ずご使用のカセットこんろ専用のカセットボンベを使用してください。その他のカセットボンベは絶対に使用しないでください。ガスもれや火災の原因になります」と注意を呼びかけています。
→カセットこんろ・カセットボンベの安全な使い方|一般社団法人日本ガス石油機器工業会
私自身、日常使用での使用量はそれほど多くないこともあり、安全面を考慮して純正品を使用することにしました。
災害時の備えという観点からも確実な安全性を優先したいと考えています。
カセットボンベの取り扱い
カセットボンベの取り付けは想像以上に簡単で、ボンベの切込み凹部をコンロ側の凸部に合わせて押し込むだけ。
カチッとはまる感覚で確実にセットできます。マグネット仕様な点も〇。
使用済みのカセットボンベを捨てる際は、まず軽く振ってシャカシャカ音がしないか確認。音がする場合はまだガスが残っているサインなのでしっかり使い切ってから処分しましょう。
また、カセットボンベの使用期限は約7年です。災害用の備蓄を考えている方はこの期限も考慮に入れて計画を立てると良いでしょう。
選べるカセットボンベの種類と特徴
タフまるジュニアで使えるカセットボンベは3種類あります。
- イワタニカセットガス(通常タイプ)
- イワタニカセットガスパワーゴールド(寒冷地用)
- イワタニカセットガスジュニア(コンパクトタイプ)
実際に通常タイプとジュニアタイプを使ってみましたが、通常タイプは本体からややはみでる形になってしまいちょっと不格好。
一方のジュニアタイプは本体にぴったりフィットしてすっきりしていて携帯も便利です。
ただし、ガス量は通常の半分で価格も割高なので見た目にこだわらないなら通常タイプでいいかもしれませんね。
使用時間と災害時の備蓄目安
気温20~25度で最大火力を使用した場合の連続燃焼時間は以下の通りです。
- 通常タイプ・パワーゴールド:約102分
- ジュニアタイプ:約45分
災害時のカセットボンベの備蓄についてはイワタニさんが具体的な目安を公開しています。
大人2人で調理(レトルト食品やパックご飯の温め)、温かい飲み物の提供、殺菌・洗浄用のお湯を沸かすなどの使い方を想定した場合に必要なカセットガスの本数は↓
- 気温25度の場合:通常タイプ6.3本
- 気温10度の場合:通常タイプ9.1本
気温が低いと気化効率が下がるため寒い時期はより多くのガスが必要になります。季節に応じた備蓄を考えておくと安心ですね。
実際の使用例:鍋炊飯に挑戦
アウトドア派の方は飯盒(はんごう)でご飯を炊くイメージが強いかもしれませんが、私は蓋が透明な普通の鍋をおすすめしたいと思います。中の様子が見えるので火加減の調整がしやすいんです。
今回はニトリの卓上鍋を使って3合炊いてみました。
→当ブログ記事:【一人鍋】ニトリのIH対応卓上鍋は炊飯やホットケーキも作れる優れもの
実は私はいつも鍋でご飯を炊いているのですが、いつものIH調理器と比べて熱の伝わり方が少し異なる(より不規則な感じ)ので最初は少し戸惑いました。
おいしく炊くコツは浸水から
ご飯を炊く上で最も重要なのは浸水です。
これは研いだお米を水に浸して米粒の中心部まで十分に水を吸わせる工程のこと。基本的に30分~1時間(水が冷たい時ほど長く)ほど必要です。
浸水をしっかり行うことでお米の芯まで熱が伝わりやすくなりムラのないふっくらとした炊き上がりになります。
さらにお米の粘りや甘み、旨みの元となるデンプンにも作用するので、お米本来のおいしさを引き出すことができるんです。
→当ブログ記事:金芽米の炊き方は浸水が重要!白米との違いやグレードも解説
具体的な炊飯手順
1.浸水が終わったら、まずは強火でしっかり熱を加える
2.水分がある程度なくなってきたらトロ火に切り替え
3.さらに水分を飛ばしていき、米粒一つ一つがはっきり見えるくらいになったら火を止める
4.最後に10分ほど蒸らして完成
私の場合、毎回の目標は「おこげを作らないこと」。
今回も少し難しさはありましたが、なんとか上手に炊けました。
お米の味については、ガス火の方がIH調理器よりも甘みが強くて美味しく感じました。
さいごに
タフまるジュニアはアウトドア用のカセットガスコンロというイメージが強いですが、オール電化住宅での調理用や災害時の備えとしても十分な実力を持っています。
コンパクトながら必要な機能は十分備わっており、日常的に使いやすい設計になっています。
そして、何よりかわいい。
気になる点もありましたが、それぞれ対策方法もあり、総合的に見てかなり満足のいく商品でした。
災害への備えや日常の調理器具として頼れる相棒になってくれそうです。
#タフまるジュニア